先日、ビルマの政府に対して、ヒューマンライツウォッチの土井さん日本政府にビルマ政府を支援しないように要請しているインタビューを読んだ。
http://www.magazine9.jp/interv/doi/index2.php
土井さんのコメントにはまったくの賛成なんだけど、ついつい思うの経済制裁を受けている北朝鮮のこと。経済制裁をして、その国の政府が国を運営することがもっと厳しくなると、一番に影響を受けるのは国民で、結局のところ政府高官たちが倒れるのは、山ほどの国民の犠牲者がでたあとでしかない。
第二次世界大戦のときの日本もそうでしたものね。
北朝鮮の場合は、金政権を経済制裁やらなんやらで追いこんでいるけど、そうすると北朝鮮政府は核カードを使おうとする。でも事実としてエネルギーが足らない。夜の衛星写真をみると一目瞭然。北朝鮮だけが真っ暗。
こうこうと明るい日本と韓国のまトナリの、こんな真っ暗な夜を過ごしているいとこたちのことを思うと、胸が痛くなる。
結局、軽水炉の建設支援を約束したアメリカは約束を守らず、エネルギー供給はいきとどかず、北朝鮮政府は第二次世界大戦のときの日本のように、窮鼠が猫を噛むように、強気な態度にでてくる。
そうすると、どうなる? 日本では在特会が、ほれみたことかと大暴れする。 私が卒業した小学校に押しかけて「スパイの子供ら、国にかえれ!」と罵声をあびせてる。やっぱり涙がでてくる。
だけど、土井さんの言ってることはほんとに正しい。
日本が政府としてビルマ政府を応援するべきじゃない、というのはそのとおりなんだよ。
だけど、ただでさえ苦しい国民がもっと苦しい目にあうのはめにみえてる。
アメリカでは、というより、こちらで話す機会のあった人たちだけど経済制裁をするということが、どういうことを引き起こすのかなんて考える必要もない、という感じ。
でも、アメリカの対外戦略は、なにはともあれ経済制裁なんだよ。
—
こういうことがずっと頭から離れずにもんもんと考えていた。
そしたら、ちょっと、これはいいんじゃないか、という記事を読んだ。でどこはこの前の土井さんの記事といっしょで「マガ9」なんだけど今週、伊勢崎さんという、今東京外大で先生やってる人が書いたもの。
http://www.magazine9.jp/other/isezaki/index3.php
アフガニスタンについて語っていて、考えようによっちゃ、ちょっとどうかいうところもあるかもしれないけれど、私がそうだなぁと思った内容をかいつまむと、
・アフタニスタンには「対テロ」ということで攻撃をしている。
・圧倒的な武力を持っててもテロをなくすことはできない。
・テロに勝つには「人身掌握」しかない
・ではどうやって人身を掌握するか
・その地方の貧困をまずなくす
・親たちが、過激派に加わらないと食べられないような状況をなくす
・子供たちが学校にもいける状況をつくる
考えてみれば、誰も好き好んでテロリストになるわけじゃなく、テロリストになるにはそれ相応の理由があるはず。
脅威を与えたいという考えにいたらなければ、テロリストは生まれない。そんなの当たり前のことで、オバマ政権もその方向でやっていこうとしているみたいです。
アフガニスタンで、ずっと地元の人たちの「人心掌握」をしてきた中村さんがやってきたこと、そういうことを、空爆をするかわりにやればいいんじゃん! それを政府がやればいいんじゃん!
政府が「自分の国の利益」を優先して貧困をなくすためと、企業の営利目的の開発を入れたり、西側諸国のための開発をしないように気をつけないといけないけれどね。
ずっと前に、ノーム・チョムスキーに聞く機会があったので、「あなたが理解しているように世界のことを理解できるようになりたい」というと、「難しく思うのは複雑に考えているから。10分あれば世界は理解できるよ」と言われたことがありました。
そのときは、そりゃ~、チョムスキーさん、あなただからですよ、と思ったものでしたが、ほんと、彼がいったことはそうかもしれませんね。